プールと私
泳ぐのが苦手です。息継ぎができません。
平泳ぎでちょびっとだけ泳ぐのが限界です。
小学校の頃プールを習っていましたが、中耳炎になってやめました。
学校のプールの授業はめちゃくちゃ嫌いで、テストでは5メートルでした。
あまりにもプールの授業が嫌いすぎたので、中学校は絶対にプールがない学校に行かねばならぬ、と思いました。
近所の公立校はプールがあったので、これは私立に行かないとだめだと思い、中学受験を決意しました。
勉強が好きだったわけではないので、泳ぎが得意だったら公立校に行っていたでしょう。
公立校に行っていたらたぶん大学に行ってなかったので、SAMURAI JACK UNIVERSEも東京みるくベイビーズもなかったです。
プールが嫌いすぎた故に、苦手な勉強を頑張りました。
そしてプールがない中学校を受験して、プールがない中学校に入学しました。
それからしばらくは全く泳がない日々を送っていました。
たまに友達と海に遊びに行ったりはしてましたが、10年くらい前に一度江の島で溺れかけてからは
海にも入ってません。
最近は子供に付き添って近所のプールに行くことがあります。
ある日、突然プールに行きたい、となったので、近所のプールを調べた所、
休みだったり、整理券配布で2時間待ちとかですぐ泳げる場所がありませんでした。
少し離れた場所でようやく待ち時間なしの所を見つけて、初めての場所に向かいました。
そこはかなり大きい場所で、大会にも使われているようなプールでした。
中に入るまで規模感を理解してなかったので、観客席までついてる会場にくそびびりましたが
こんな場所で泳げるなんて最高だぜと思いながら、プールに目をやると、もうなんというか
めちゃくちゃ泳ぎがうまい人しか入っちゃいけない系のプールでした。
片道コースと、往復コースと、歩くだけで泳いじゃいけないレーンがありました。
うまい人がのびのびと泳ぐためのプールなので、私のような泳げない人間は来ちゃだめな場所でした。
それでも俺はここに来たのは初めてじゃないぜっぽい姿を装い、片道コースに入りました。
泳ぎ初めて5メートルで1回立ちました。
それを5回くらい繰り返しても、まだコースの半分にしか来てません。
なぜだろうと思ったら、そこはなんと50メートルプールでした。
50メートルプールに入った事がなかったので、泳ぐまで気づきませんでした。
いくら泳いでもたどり着かないこの感じ。周りにはうまい人ばかり、監視員の視線も痛い。
歩いちゃいけないコースなので、とにかく泳がなくてはならない。でも自分は5メートルしか泳げない。
それでも全身全霊の力を込めて、何度か水を飲みながらも。平泳ぎで50メートル泳ぎ切りました。
やっとのことでたどり着いてヘロヘロになっている所に、監視員が飛んできて、
「このレーンは立ち止まってはいけないレーンなので、立ち止まってもいいレーンに移動してください。」と
注意をいただきました。
いやいやもう二度と50メートルなんて泳ぎたくないですよ、と思いつつ、「ハイワカリマシタ」と言って
隣のレーンに移動しました。
なんとなく雰囲気的に、さーて今度はもっとちゃんと泳ぐか〜みたいな感じの素振りを自分がしてしまったので
やっとの思いでたどり着いた陸から、再び大海へと出航しました。
50メートルってなんて遠いんだろう。なんでこんなに進まないんだ?
と思いながらも、監視員に注意されたことで、泳げなすぎる自分が紛れ込んでしまった恥ずかしさはなくなっており
1回目よりは気持ちは楽になっていて、何度も何度も立ち止まりながら再び50メートル泳ぎ切りました。
普段流れるプールで平泳ぎをしていたので、あれ?意外と泳げるかも?なんて思っていましたが、
それは流れるプールに流されているからで、流れない50メートルプールでは、
全くスピードは出ませんでした。歩いたほうが早いです。
その後、歩くだけのレーンで少し休んでから、ビート板を片手に再び50メートルに挑戦しました。
もうやけくそです。
片手をビート板に乗せて、片手で水をかいて顔は水に付けないという泳ぎ方をしてる人がいたので
それを真似して挑戦しました。
水を飲みまくりましたが、最初に5メートルおきに立ち止まる平泳ぎよりはスピードが出たので、1.2回目よりはだいぶ楽でした。
合計で150メートル泳いでギブアップ。
誰よりも遅くきた我々は誰よりも早くそのプールを後にしました。
ここに来たことで、自分がプールを嫌いだった理由を思い出しました。
その後、そのプールの隣の建物にある25メートルプールで記録の測定会が行われていたので、
少し覗いて泳ぎがめちゃめちゃ上手な人達を眺めて、格の違いを確かめてから帰りました。
プールで苦しい思いをした後に食べたアイスは、最高においしかったです。
翌週に、いつも行っている近所のプールに行きました。
そこのプールは流れるプールと、泳ぐ専用のプールがあるのですが、そのプールが25メートルなのだと、初めて気づきました。
短っ!!!25メートルって短っ!!と、50メートルを経験したことで思うようになりました。
50メートルプールの経験を乗り越えてからは、泳げる距離は10メートルになりました。
終わり
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